精子提供を希望される方の中には、10代のころに望まない妊娠の上、中絶を経験されている方もいます。結婚適齢期になり、いざ妊娠を望んでもなかなかできない。過去のことを話したくないので、誰にも聞けない。その結果、「中絶したら二度と妊娠できないのでしょうか?」という質問が当サイトへ寄せられます。
中絶による妊娠・出産への影響
妊娠を望むカップルのうち不妊に悩む方の半分は男性不妊によるものです。そのため、そもそも不妊の原因が女性にあるのか、男性にあるのかは検査してみないとわかりません。
ただ、過去に中絶されたご経験があると女性はご自分を責めてしまいがちです。
まず中絶と妊娠の関係を見てみましょう。
中絶そのものが不妊原因にはならないむしろ・・・
現代の医療において、掻爬手術、いわゆる中絶手術を受けことが、その後の妊娠のしずらさに直結することはまれです。
もちろん、医師の技術が低く、手術の際に女性の体に傷をつけてしまったなどがあれば別ですが、中絶したことが女性不妊の原因として大きな割合を占めることはありません。
むしろ、一度なりとも妊娠できたという事実は、不妊という視点からみれば妊娠できる可能性が高いともいえます。
ただし、中絶が不妊の原因には必ずしもならない反面、妊娠後に赤ちゃんがおなかの中にとどまりにくくなる傾向は否定できません。
どうしても、お腹の赤ちゃんを保持する力が下がるため(子宮頸管無力症)、張りやすくなるなど不安定な状態が続きます。中絶をされた方は、おひとりお一人状況は異なりますが、その後妊娠では安定期の維持が難しいとお考えになったほうが良いかもしれません。
男性にも必ず検査
中絶したために自分を責めたくなる気持ちもわかりますが、上記のように不妊の半分は男性原因です。
なかなか妊娠できないと思ったら、男性にも病院で検査を受けてもらいましょう。もし、男性側に原因があれば、一日でも早く対処が必要になります。男性の精子も問題があれば、日々妊娠できる力を失っていくためです。
男性を検査に向かわせるコツの一つは、面倒な部分をすべてつぶしておくことです。
「検査に行ってね。」とだけ伝えて、放っておくとまず行きません。病院の名前、場所、申し込み方法、待合室はプライバシー重視かなど、行くために必要な情報と男性が気にするであろう点を調べて病院をリストアップしましょう。
あとは、都合の良いときに予約をして行くだけ、の状態にしておくことだいぶ心理的なハードルは下がります。
まとめ
繰り返しますが、中絶は不妊の根本的な原因にはなりません。自分を責める時間があるなら、行動にでて現状を打破しましょう。妊娠しずらくてもあなたが悪いわけではありません。ご相談はいつでもお待ちしています。