精子提供に関する書籍はけして多くはありません。そもそも情報が少ないということもありますが、当事者が表立って表明しずらいこともその一因だと思われます。そこで、精子バンクの精子提供について書かれた数少ない本を整理してみました。参考にしてください。
AIDで生まれるということ 精子提供で生まれた子どもたちの声
萬書房
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医療技術が発達し、精子提供だけでなく、卵子提供や体外受精、代理母出産など、子供が生まれるまでの過程には、様々な選択肢が登場しました。その中で、そうした高度な医療技術で生まれてきた子供本人の気持ちを知る機会はけして多くありません。
”親”ではなく、”子供”の視点からと精子提供をとらえたユニークな1冊です。
大好きなあなただから、真実を話しておきたくて 精子・卵子・胚の提供により生まれたことを子どもに話すための親向けガイド
帝塚山大学出版会
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まず、どのように誕生したのか、という経緯を子供に伝えるべきか否かという大きな問いが存在します。そして、伝えるなどう伝えるべきか。正しい答えはありませんが、もし伝えるならこう伝えてほしいという著書の思いが詰まった本です。
どう伝えるべきか迷ったときにはぜひおすすめします。
家族をつくる―提供精子を使った人工授精で子どもを持った人たち
人間と歴史社
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精子提供で子供を持ったニュージーランドの家族達について専門家が書いたものです。もしも、精子提供や卵子提供で家族を持とうと考えている方は、子供とどう向き合うべきか、非常に参考になると思います。
特殊な家族の話ではなくて、「親子に秘密があると、それを隠すために更に嘘をつかねばならず、家族の信頼関係が築けない」。大事な決断の前に家族で話し合うなど、当たり前だけど多くの家族や夫婦にも通じる話で、親子の信頼関係を考えさせられます。
以下は、おまけ。
ルポ 同性カップルの子どもたち―アメリカ「ゲイビーブーム」を追う
岩波書店
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この本は、精子提供に直接関連するものではないのですが、家族の多様化が進むアメリカのお話です。日本ではなかなか新たな家族観は生まれにくいですが、精子バンクの活動は必然と家族とは何かを問うものになります。
精子提供、子供、そして家族を考える上で、一歩引いた視点から考えるときのヒントになります。
まとめ
本を読んだだけでは、課題を根本的に解決することは難しいかもしれません。ただ、課題に直面した際に答えをみつけるきっかけにはなりえます。先に経験、体験された方の意見を知っておくことは、精子バンクを利用して、家族を形作っていく上で参考になるはずです。