今回は、大変ありがたいことに、男性からメールを頂きました。旦那様であるご本人が40代、奥様が30代のときに結婚されたナオキさんの精子バンク体験談をご紹介します。
見つからない精子
先日、元気な男の子を授かることができました。本当にありがとうございました。
私たちはいわゆる婚活を通して知り合い結婚にいたった夫婦です。二人ともけして若くないことから、子供を早くにもうけたいと考え今度は妊活に励みました。
1年、2年と経っても、子供はできません。なんとなく、年齢から自分に原因があるのではないかと思ったのですが、現実をつきつけられるのが怖くて病院には行けませんでした。
ある晩、夕食が終わりソファにいると、妻から検査結果のようなものを見せられました。ぼんやり見ていると、妻は1か月前から妊娠に関する検査を受け始めたことを説明しはじめました。
妻にはなんら異常がない、すぐに旦那さんを病院に連れてくるよう医師から言われたと。
自分がもっとも恐れていた現実をつきつけられ息苦しくなったことを覚えています。
しかし、その時妻は、私を責めるわけでもなく、丁寧に、やさしく、男性側にも4割の不妊原因があること、治療や手術によって妊娠できる可能性もあること、を教えてくれました。
結果を知り愕然
診察室に案内されると浮かない顔をした医師がいました。
実は、精液検査で精子がみつからず、手術を受けたのです。しかも2回。
妻との子供がもてるならと苦痛にも耐えられましたが、結果を知り何もする気がなくなりました。
絶望というよりは、何もなくなった感覚です。普通の健康な男性ならできるであろう、妻に子供を授けることができない。
そこから、だいぶ妻と話し合いました。私としては、もう子供はいいかなと思ったのですが妻は相変わらず一生懸命情報を集めます。
妻が一生懸命になるほど、自分の無能ぶり、男性としての欠陥をつきつけられているようでした。
若くない妻も焦りがあったのだと思います。しかし、自分にはどうすることもできません。
養子も考えましたが、お互いの実子ではないためフェアではあるものの、実子ではない子供をどこまで愛せるか自信が持てませんでした。
最終的には、AIDでという結論になったのですが、2年待ちといわれ愕然。もう、やっと立ち直りかけた心がまた折れる音がしました。
衝撃的な提案
そして、妻が出してきたのは、民間の精子バンクから第三者の精子提供をうけることです。
正直、最初に聞いたときは、気持ちが悪かったです。病院でのAIDは受け入れることができて、なぜ民間の精子バンクはダメなのか自分でも説明できません。
そんな活動をしている人たちに怒りさえ覚えました。人の弱みに付け込むような発想が理解できなかったのです。
妻が話だけでも聞いてみようといったときも良い気はしませんでした。
今思えば、男性としての能力を持たない自分の一方的な嫉妬です。精子ドナーが憎くてしかたありませんでしたが、それはふがいない自分への怒りの裏返しだったと感じます。
私は上記のような感情が強かったので、一度も精子ドナーには会っていません。妻が一人で数人のドナーと面談しました。
妻の選択
ジャパン・ベイビーのまささんにお会いした日に、妻からこの人ならいいと思うと告げられました。複雑でした。妻が他の男性の精子で妊娠することを率先しようとしているのですから。
面談の感想を聞くと、体格が私とほぼ同じ、血液型もA型で同じ、人相や雰囲気もにているとのこと。精子提供のことを、子供にどう伝えるかその時点では決めていなかったので、その点はよかったです。
あれから2年。何度か精子を提供していただき子供を授かることができました。どうしてもまささんに直接お会いする勇気はないので、メールでの感想とお礼になることをお許しください。
精子ドナーへの嫌悪感は私の理解不足によるところが大きかったと思います。ただ、その選定は慎重に慎重を重ねて行うべきだと考えています。たまたま私たちは、納得のいく精子ドナーに出会うことができました。他の方も理想的な精子ドナーと出会われることを祈っています。
同じ男性として、ナオキさんのご感想はよく理解できますし、学ばせて頂くことが多いです。お子様といつまでもお幸せに。
ご質問やお申込みは随時受け付けています。お気軽にご連絡ください。