精子バンクを利用するときはシリンジ法とタイミング法のどっちがいいの?

精子バンクを利用する際に判断を迫られる一つが精子の提供方法です。

タイミング法だけを提案してくる精子ドナーは論外ですが、納得のいく精子ドナーに出会たときに、どちらの方法にするべきか迷いますよね?

今日は。参考にして頂ければと思い、これまでの経験を共有させて頂きます。

シリンジ法とタイミング法の妊娠率

カウンセリングでもよく妊娠率について質問を頂きます。

若干、タイミング法のほうが高いですが、最終的な妊娠率は、ほぼ同じとみて問題ありません、

ただし、それは、レシピエント(妊娠を希望される方)の人数を分母にした場合です。

つまり、以下の計算の場合は、シリンジ法とタイミング法の妊娠率がほぼ同じ確率になります。

シリンジ法で妊娠された方の数 /
シリンジ法で提供を受けられた方の数
= S%  
タイミング法で妊娠された方の数 /
タイミング法で提供を受けられた方の数
= T%
S% ≒ T%

ところが、レシピエントの人数ではなく、提供回数を分母にすると、タイミング法の妊娠率が圧倒的に高くなります。

シリンジ法で妊娠された方の数 /
シリンジ法での提供回数
= S%  
タイミング法で妊娠された方の数 /
タイミング法での提供回数
= T%
S% 低い <<< 高い T%

想定される理由のひとつは、シリンジの取り扱いに不慣れなことです。

シリンジ法の場合は、ご自身で精子を体内へ入れて頂きますが、その際に失敗されていることが考えられます。

シリンジは日常生活で使用することはほとんどありませんし、膣の奥まで入れるのはやはり怖いです。

その結果、注入が浅くなり、精子が子宮まで到達できず、膣から逆流しているのかもしれません。

一方、タイミング法の場合は、確実に子宮付近まで精子を届けることができるため、シリンジ法よりも少ない回数で効率よく妊娠できているのだと考えられます。

選択するのはクライント

だからといって、ジャパン・ベイビーではタイミング法だけをお勧めることはありません。

状況に合わせて、選択してください。提供方法を途中で変更することも可能です。

実際に、これまで精子提供を受けられた方の選択は、
1回目では【シリンジ:タイミング=6:4】の割合ですが、
2回目以降は【シリンジ:タイミング=5:5】となっています。

まとめ

精子提供方法を、妊娠率だけで選ぶ必要はありません。

ご自分の状況や、パートナーの方とよく検討された上で選択してください。