女性の社会進出にともない、晩婚化・高齢出産は珍しくなくなってきました。さらに今後は、結婚しないことを積極的に選択する女性が増えると考えられます。結婚しなくても生活が成り立つことと、結婚のメリットが日本では必ずしも大きくないためです。
そこで、ジャパン・ベイビーへのお問合せがもっとも多いアラフォー女性が結婚せずに、子供もうけた場合について、どのような状況が起こりえるか考えてみます。
アラフォー独身女性が出産・子育てをしたら?
精子ドナーから精子提供を受けて、妊娠・出産すると仮定します。いわゆる選択的シングルマザーです。
年齢の推移
計算しやすくるために、40歳で出産とすると、お子さんとの年齢の推移は下記のようになります。お子さんが大学まで進学する場合、定年後も学費や生活費のために働く必要がありそうです。
あなた | イベント | お子様 |
40歳 | 出産 | 0歳 |
47歳 | 小学校入学 | 7歳 |
53歳 | 中学校入学 | 13歳 |
56歳 | 高校入学 | 16歳 |
59歳 | 大学入学 | 19歳 |
60歳 | 定年 | 20歳 |
62歳 | 大学卒業 | 22歳 |
63歳 | 入社 | 23歳 |
養育費
もっとも気になることとの一つ、子供一人を大学まで育てるといくらぐらいかかるでしょうか?
幼稚園から大学まですべて公立なら、およそ3000万円。
幼稚園からほぼ私立で、大学が私立文系なら、およそ3700万円。
※出典:子ども応援便り
一方、親であるアラフォー独身女性の年収をみてみましょう。
40代女性会社員なら、平均年収はおよそ400万円なり、手取りは300万円とします。仮に60歳定年とすると、出産した40歳から20年間働けるので、300万円×20年=6000万円。
※出典:女性の平均年収ランキング
ざっくりいうと、40歳以降定年までの手取りの半分は養育費として子供を育てるために必要となります。
1か月の生活費を15万円とすると、一部養育費と重複するものの、20年×12か月×15万円=3600万円です。
もうギリギリ、カツカツです。ジャパン・ベイビーが、必ずしも全ての方に精子提供を実施していない理由がおわかりいただけるかと思います。ある程度の経済力が親になければ、多くの子供たちは誕生とともに貧困のサイクルに入ってしまうのです。
女性がご両親と同居で住居費がかからないなど有利な条件があれば別ですが、出産以降、大きな病気はできないことは確かです。
親の介護
ご両親と同居なら有利と書きましたが、それは住居費だけでなく、子育て全般です。同居でなくても近くにご両親が住んでいるだけで、環境は大きく変わります。
しかし、上の表に入れていないものの、早ければ女性の定年前からご両親の介護が始まります。金銭的にも、体力的にも子育てにリソースが必要な時期です。
言葉は悪いですが、最悪ケースも考慮して、入所施設や病院について早めにケアワーカーなどと相談しておきましょう。起きてからでは、対応が後手になり、大変になるだけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?だいぶ厳しめに見積もったつもりです。だからといってあきらめる必要はありません。リスクを識別し、それぞれに対処方法を準備しておけばある程度想定の範囲で乗り切ることができます。行政や会社の制度を活用することはもちろんですが、出産前にどれだけ情報を集め、出産後に行動に移せるか、そこが勝負です。