男性不妊は、昔から存在しました。全国にある”子宝の湯”に妻だけでが行く場合は、妻の体調を整えるためではなく、夫ではない男性と性交することで子供を身ごもるためだったという説があります。つまり、夫が知っているかどうかは別にして、夫をたてつつも男性原因による不妊を打開する方法が大昔から取られてきました。
男性が不妊になってしまう原因
体の機能に問題のない女性と避妊せずにセックスを繰り返しても、妊娠にいたらない場合、男性不妊と言われます。
その原因と対策を理解することで、妊娠の確率を上げていきましょう。
先天性の男性不妊
男性の中には、生まれながらにして、子孫を残すことが難しい状態の方がいます。
先天性精官欠損症
精子をつくりだす精巣と尿道をつなぐパイプである精官がないために、膣内での射精による精子の運搬ができない症状です。
精巣の状態によっては、手術により精子を取り出すことも可能です。ただし、なんども精巣にメスを入れることは負担が大きく、精子を取り出すことができても、精子に問題があれば、妊娠は難しくなります。
クラインフェルター症候群
男性の性染色体にX染色体が一つ以上多いことで生じる症状の総称です。染色体に異常が存在することで、受精はもちろん、着床も難しく、出産まで至ることは稀です。
対策
先天性なんだからどうしようもない、ということはありません。手術や薬による対処で改善することもあります。ただし、放っておくと症状が進行する場合もありますので、なかなか妊娠できないときは病院での検査を受けましょう。結婚前なら、婚約者といっしょにブライダルチェックを受けることをおすすめします。
後天性の男性不妊
生まれた時点では、何の問題もなかったはずなのに、その後の生活により男性不妊に陥るケースがあります。
生活習慣
喫煙
最近は低下してきていると言われる男性の喫煙率ですが、絶対数はけして少なくありません。喫煙を一定期間以上継続することで、体内の細胞に悪影響を及ぼします。複数の調査で、非喫煙者の精子に比べ、喫煙者の精子は、量が20%も少なく、運動量が少ないことがわかっています。
飲酒
二十歳を超えたらほとんどの男性がお酒を飲むので、程度問題ですが、アルコールも不妊の原因になります。
アルコールを摂取すると、体内では分解するために酵素が必要となります。実は、この酵素が男性の精巣内にあるのですが、アルコールを分解するたびにセトアルデヒドという精子の製造を抑制してしまう物質が作られることで不妊につながります。
バランスの悪い食事
いつでもどこでも食べ物が買えるため、つい好きなものばかりを食べてしまう男性はすくなくありません。
そのため、食事が肉や炭水化物に偏ることがあります。結果的に、ビタミンを摂取できる野菜や果物が減ってしまいます。すると、活性酸素から受ける攻撃をかわすために必要な抗酸化ビタミンが不足し、精子が正常に育たなくなってしまのです。
また、同じ理由で、コレステロールが低下することでも不妊につながります。悪者として有名なコレステロールですが、実は、ホルモンの原料であるため、善玉コレステロールが不足すると、妊娠しにくい精子しか作れなくなるのです。
ストレス
間接的な原因ですが、ストレスが多いことも不妊の原因になります。
ストレスにより、性欲の元であるテストロステンという物質が体内で分泌されなくなると、いざ必要なタイミングでセックスができず、チャンスを逃すことになります。また、セックスができなかったという精神的ショックが原因で、勃起不全になることもあります。
対策
たいていこういったケースでは、バランスのとれた食事と定期的な軽めの運動、が王道ですが男性はいやがります。不妊に立ち向かおうという気持ちが男性になければ、面倒なだけです。上記のような状況を改善してもらう場合は、期限を設定すると効果的です。一生〇〇するなと言っているわけではない、ということを男性には伝えてください。妊娠に至るまでの期間であることが理解できれば、多少は男性も動きやすくなります。
まとめ
不妊というと、どうしても女性側に原因を押し付けられてしまいます。しかし、不妊のおよそ半数は男性側に原因があると近年わかってきました。女性側だけでは解決できませんので、まずは感情的にならず、現実を二人で受け入れることからはじめましょう。