ダウン症と対応方法について

精子提供にかかわらず、一定の割合でダウン症はあらわれます。世界平均では、およそ1000人に一人の割合です。年齢によりその数値は変化しますが、誰にでも訪れる可能性があります。今回はその捉え方と、対応についてご紹介します。

そもそもダウン症とは?

体に起きていること

通常私たちの体を構成する”染色体”は、23セット×2本=46本でできています。しかし、なんらかの原因で、1本増え47本になることがあります。この状態が一般的にダウン症と呼ばれているものです。

わずか1本の違いですが、大きな変化をもたらします。

成長のスピード

平均的な赤ちゃんと比べると、成長はゆっくりで筋肉の量も少なめ。言語の発達に時間がかかるといわれています。反面、視覚の発達は通常と変わらず、言葉を用いないジェスチャーなどの非言語コミュニケーションの上達が早いです。

性格の特徴

とても明るく前向きな一方で、こだわりが強い傾向があります。ただし、ひとことでダウン症といっても、一人一人性格は異なり、同じ状況に対して同じ反応をすることはまれです。

年齢別の発現する割合

では、どのぐらいの確率でダウン症が発現するのでしょうか?

20歳:1667人に1人 0.05998800 %
30歳: 952人に1人 0.10504202 %
35歳: 378人に1人 0.26455026 %
40歳: 106人に1人 0.94339623 %
45歳: 30人に1人 3.33333333 %

20歳と45歳で二桁の違いがでてきます。高齢になればなるほど、確率があがりますが、年齢によらずダウン症は現れます。

対応方法

詳しい原因はまだ解明されていません。そのため、母体の健康管理と検査が主になります。

健康管理

栄養素の摂取は、卵子を良い状態に維持する上で重要です。特に葉酸は、卵子細胞を正常な状態で保つといわれています。過剰摂取はよくありませんので、適切な量を守ってください。

出生前診断

妊娠後、検査を受けることで、赤ちゃんにダウン症の兆候があるかどうか確認できます。

2013年から新型出生前診断が始まりました。従来の方法とは異なり、妊婦の血液のみから診断が可能で、制度は99%と大変高いです。

欧米では、おなかの赤ちゃんに病気が見つかった場合、少しでも早く情報を集めて準備するために検査を受ける方が大半です。日本では、産む・産まないを考えるために受ける方が多いため、命の選別につながるのではないかという議論が何度も起こりました。

安易に受けてしまうと、不要な不安とストレスにさらされることがあります。検査の前に、なぜこの検査を受けるのか、検査の結果によりどのように対処するか、を決めておきましょう。

まとめ

ダウン症は赤ちゃんがもって生まれる可能性のある数多くの病気の1つでしかありません。病気がひとつもない状態で誕生してくれることが理想ですが、もし病気があった場合にどのように考えるか、そのきっかけになれば幸いです。