まさかのNASAが宇宙空間で人間の精子に関する実験を開始したため、ご紹介します。何を目的に、どんな実験をするのでしょうか?
宇宙でも妊娠は可能か?
人間の精子を宇宙に運ぶ目的
今後数十年は、これまでにないほど、人間が長い時間を宇宙で過ごすと予想されています。
最近では、アメリカのSpaceXという民間企業が火星への人類到達を目標に掲げました。
その中で、注目を集めているのが、”世代交代”です。つまり、宇宙で過ごす間に次の世代が誕生することです。
しかし、ここで単純な疑問がわいてきます。宇宙で人類は、妊娠・出産ができるのか?そこで、今回NASAは人間の精子を宇宙空間に輸送し2つのことを確認します。
- 重力がほとんどない環境でどのように人間の精子が前進することができるか?
- 重力がほどんとない状態で見せる人間の精子の特徴はなにか?
これまでの実験でわかった精子の特徴
過去に実施された人間以外の精子による実験ではふたつのことが分かっています。
卵子との受精に必要な精子の活性化は地球上よりも早く起こる
ただし受精には時間がかかる
一見矛盾していますが、言い換えると、精子は元気になりやすいが、卵子に突入する勢いを得にくい、ということです。
これは、人間以外の精子によるもののため、人間の精子ではどうなるかまだわかりません。
これからわかること
今回、人間の精子を宇宙ステーションにはこぶことで、宇宙どのような動きをするか動画でみれるようになります。
人間の精子は、他の動物に比べて、形や大きさ動き方が多様でさまざまであることが知られています。そこで、もしかすると特殊な性質を示す精子がいるかもしれないため、雄牛の精子との比較も行うそうです。
雄牛の精子は人間ほど多様ではなく、比較対象として適切なんだとか。
未来の不妊治療
やはり、注目すべきは、重力がとても弱い宇宙では、精子の動きが良くなるという点です。この利点をいかすことで、今までよりも効率的に不妊治療ができるようになるかもしれません。
冒頭でも触れましたが、今後、人間が宇宙で過ごす時間が増えると、宇宙へのアクセスはより安く簡単になるはずです。その結果、宇宙ステーションで不妊治療することで、これまで地上でかかっていた費用よりも安くかつ早く成果を得ることもありえます。
今回は精子に関するお話でしたが、子宮への影響に関する研究はこれから進むようですので、引き続き調査していきたいと思います。
まとめ
このような研究が進むことで、地球上での不妊治療への応用が進み、妊娠・出産を希望される方の希望が叶うことを願ってやみません。