セックス経験があれば、精液をご覧になったことはあるかと思います。しかし、精液とはいったん何で構成され、男性の体のどこで作られるか知っていますか?精液全部が精子、なんて思ってませんよね?
精液の中の精子はたったの数%
精液の構成とは?
精液は大きくわけて4つの液体から構成されます。
精液の構成
70% 精嚢分泌液
25% 前立腺液
1-5% 精子
少量 カウパー液
精子は精液の中に1-5%しか入っていません。それぞれの役割を見ていきましょう。
精液の役割
精嚢分泌液(せいのうぶんぴつえき)
男性器の裏側にある精嚢(せいのう)と言われる器官で作られます。
主な成分は、精子の運動エネルギー源となる糖分。実は、射精によって体外に出てくるまで、精子はほとんど自力運動ができません。
射精された後に、精嚢分泌液から栄養をもらうことで、前に進めるようになります。まるで、太陽エネルギーで動くソーラーカーのようです。
前立腺液(ぜんりつせんえき)
精嚢分泌液と同様に、男性器の裏にある前立腺から分泌されます。
主な成分は、クエン酸・アミノ酸・亜鉛です。お気づきかもしれませんが、サプリメントでもよくある成分で、これも精子を活気づけるための栄養となります。
精嚢分泌液と異なるのは、前立腺液が弱アルカリ性であるため、酸性の膣を中和することで精子を守る機能をもっている点です。
精子
精子は男性の睾丸(こうがん)の中にある、精巣(せいそう)で作られます。
たった60マイクロメートルの中に男性の遺伝情報をたんまりと蓄積しているのですから不思議です。
大変小さいため1回の射精=およそスプーン一杯分に1億-4億個も含まれています。この中から、たった一つが卵子と授精し、赤ちゃんへと成長していきます。よく、私たち人間は生まれただけですでに生存競争を一度勝ち抜いていると言われるのはそのためです。
カウパー腺液
男性器が勃起するとわずかに出てくる無色透明な液体で、油のようにつるつるとしています。射精の際には、まっさきに男性の尿道を通り、精子が射精されやす状態を作り出します。
前立腺液と同様にアルカリ性であるため、酸性の膣の中で精子を守ることも役目のひとつです。
まとめ
精液の特徴についてご説明してきました。ところで、精液の色をご存知ですか?白?黄色?
答えは、時間経過とともに変わる、でした。
精子提供を始めるまで知らなかったのですが、精液は射精後数分で色が変わります。個人差があるものの、射精直後は繊維状に見える白や黄色の部分と、それを囲む透明な部分があります。しかし、数分後には白や黄色の部分が分解され、粘度も下がり半透明のさらっとした液体に変わるんです。
これは、精液に含まれる酵素の働きによるものです。射精直後は粘度を高く保つことで女性の体内に残り、その後は粘度をさげることで精子が動きやすくするのだとか。
人間の体は不思議ですが、よくできていますね。